造影剤を使用しない治療にも対応

造影剤を使ったカテーテル治療を避けたい方でも安心

腎臓の機能が悪くカテーテル治療ができないと言われたことがある方、造影剤アレルギーの心配がある方も、当院では造影剤の使用量を減らし、炭酸ガス造影を併用した治療が可能です。

造影剤について

カテーテル治療やそのための検査には「造影剤」という、血の流れを評価するために血管に色を付けるお薬を使用する必要があります。
これは通常であれば尿となって排出されますが、もともと腎臓の機能が悪い方の場合は、投与後一過性に腎臓の機能が悪化する可能性があります。 
中には、さらに腎臓の機能が悪化し透析が必要になってしまう方もおられるため、当院ではこのような合併症を起こさないよう、治療の前日から腎臓の働きを良くする点滴を行い予防に努めています。

炭酸ガス造影について

特に腎臓の機能の悪い方、造影剤アレルギーの心配がある方には、炭酸ガスを用いる「炭酸ガス造影」を併用した治療を行うことが可能です。当院の川﨑医師は、炭酸ガス造影を使った下肢カテーテル治療の何百例という実績を有し、その安全性と有効性について論文に報告してきました。

参考文献

  1. Safety and Efficacy of Endovascular Therapy With a Simple Homemade Carbon Dioxide Delivery System in Patients With Ileofemoral Artery Diseases. Circ J. 2012. Kawasaki D et al.
  2. A simple homemade carbon dioxide delivery system for endovascular procedures in the iliofemoral arteries-reply. Circ J. 2013. Kawasaki D
  3. Safety and Efficacy of Carbon Dioxide and IVUS Guided Stenting for Renal Artery Stenosis in Patients with Chronic Renal Insufficiency. Angiology 2014. Kawasaki D et al.
炭酸ガス造影

造影剤による造影

炭酸ガス造影法を学ぶため、多くの医師が当院に見学に来られています。また、血管内超音波という、血管の状態を内側から観察する検査方法と炭酸ガス造影を併用することで、治療の安全性を保ったまま、造影剤の使用量を通常と比べ大幅に少なくすることが可能になりました。これまで造影剤が使えないためにカテーテル治療をあきらめていた方は、ぜひご相談ください。

炭酸ガス造影の特徴

  • 炭酸ガスは、アレルギー性のない気体です。
  • 腎臓の機能が悪く造影剤を使いにくい方や、造影剤に対してアレルギーをお持ちの方に、造影剤の代用として昔から炭酸ガスが使われてきました。
  • 炭酸ガスは血液に注入されるとすぐに血液に吸収され、息を吐くときに体外に排出されるため、長時間体内にとどまることはありません。

炭酸ガス造影の合併症

  • 炭酸ガスを注入した時に生じる痛み、下痢、血液に炭酸ガスが溶けきらず停留する現象などがしばしばおこりますが、これらは一過性のものです。
  • お腹の腸を栄養する動脈に炭酸ガスが悪影響を及ぼすことで虚血性腸炎を発症し、最悪の場合、死亡した症例も報告されていますが頻度は非常にまれです。

※当院では非常に多くの治療実績があり、これまで死亡など命に関わる事例は1例も発生していませんが、あなたの炭酸ガス造影による合併症発生率を保証するものではありません。

 

 

診療のご予約・お問い合わせ先

早期診断、早期治療があなたの将来を大きく変えます。

森之宮病院の循環器内科では、下肢カテーテル治療のエキスパートが診断・治療いたしますので、他院でカテーテル治療が不可能と言われた方、下肢の切断を勧められた方、紹介状をお持ちでない方も一度ご相談ください。

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