麻酔・ペインクリニック科
安定した状態で手術を乗り越えられるようお手伝いしています。
外来医師担当表 [完全予約制]
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休診情報
現在、休診予定はありません。
※急な休診等もございますので、ご了承ください。
特色
森之宮病院では、外科、心臓血管外科、整形外科、乳腺外科、形成外科、歯科、口腔外科、泌尿器科、ペインクリニック科などの手術を行っています。そのうち、麻酔科では年間1,000件を超える手術の麻酔全般を担当しています。
当科では、安定した麻酔の提供に努め、どんな重症例でも安定した状態で手術を乗り越えられるようお手伝いをしています。神経ブロックなどの除痛手段を用いて、可能な限り術後の疼痛対策を行っています。
手術が終わって術後回復室(集中治療室)に移られてからも、安定した状態を保てるよう、循環管理、呼吸管理に努めています。できるだけ早期に一般病床へ移れるようサポートしています。
スタッフ構成
常勤医師 2名
日本麻酔科学会指導医 2名
ペインクリニック外来
2010年8月28日、痛みの治療を専門に行うペインクリニック外来を開設しました。診療は、日本麻酔科学会指導医の資格を持つ麻酔・ペインクリニック科の鈴木高広医師が担当しています。
毎週土曜の午前中、完全予約制で、神経ブロックを中心に疼痛対策や血流改善などの治療を行っています。地域の医療機関の先生方からご紹介いただいた患者さんに対する診療も積極的に受け付けています。
1. 痛みに対する神経ブロック
- 頚椎椎間板ヘルニア、頚部脊柱管狭窄症、頚椎症による首・肩・腕の痛み
- 腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、変形性腰椎症による腰下肢痛
- 帯状疱疹後神経痛に対して硬膜外ブロック、神経根ブロック、末梢神経ブロック
- 仙腸関節痛に対して仙腸関節ブロック
- 内臓痛(癌性疼痛、膵炎)に対して交感神経節ブロック
2. 血流改善などの効果を期待する神経ブロック
- 顔面神経麻痺、突発性難聴に対して星状神経節ブロック
- バージャー病などの血流障害に対して星状神経節ブロック、腰部交感神経節ブロック
3. 経皮的内視鏡下脊椎手術
腰椎椎間板ヘルニアに対して経皮的内視鏡下椎間板ヘルニア摘除術(PELD:Percutaneous Endoscopic Lumbar Discectomy)を始めとした内視鏡手術を行っています。腰部脊柱管狭窄症に対しては経皮的内視鏡下椎弓切除術(PEL:Percutaneous Endoscopic Laminectomy)、腰椎圧迫骨折、腰椎固定術後の隣接椎間障害などによる腰椎椎間孔狭窄には経皮的内視鏡下椎間孔形成術(PELF:Percutaneous Endoscopic Lumbar Foraminoplasty)を行っています。
これらは完全内視鏡下脊椎手術(FESS:Full-endoscopic spine surgery)とも呼ばれていますが、脊椎疾患に対する最も低侵襲(傷が小さく、身体への負担が少ない)な手術方法で、傷は約8mm、2~3日で退院可能です。外径7mmの内視鏡を用いて行っていますが筋肉をほぼ温存したまま手術を終えることができます。全身麻酔にて行いますが、うっすらと眠っていただくだけの人工呼吸を行わない低侵襲な麻酔方法を採用しております。麻酔からの回復も非常に速やかです。ご希望があれば術前術後のリハビリを十分に行ってから退院していただくことも可能です。当科ではできる限り低侵襲を目指していますので内視鏡手術をご希望されてお越しになった方でも神経ブロックにて悪循環が解消され、症状軽快すれば手術不要となることも多いです。臨床所見は、MRIやCT画像所見と必ずしも一致しませんので、痛みの原因となっている神経を同定する神経根ブロックを必ず行いますが、この効果で手術に至らない方も多くいらっしゃいます。
腰椎圧迫骨折や腰椎固定術後の隣接椎間障害による椎体変形が著しい場合でも神経を圧迫する箇所のみ切除し神経を解放することで痛みを軽くすることが可能です。
当科では2012年より内視鏡下手術を開始しました。2017年は35症例、2018年は65症例、2019年は75症例、2020年は75症例、2021年は53症例、2022年は48症例、2023年は45症例実施しました。
椎体固定術など他の術式が好ましい場合には専門病院にご紹介させていただきます。
高齢、重度基礎疾患などを理由に他院で手術適応外と診断された方でも可能が場合があります。
FESS(完全内視鏡下脊椎手術)の手術症例をご紹介します
症例1 L4/5ヘルニア 頭側に大きく脱出し右L4神経根を強く圧迫、右後側方アプローチにて摘出しました。
症例2 L4/5ヘルニア 尾側に大きく脱出し左L5神経根を強く圧迫、左後側方アプローチにて摘出しました。
症例3 L4/5ヘルニア 右椎間孔を塞ぐヘルニアにより右L4神経根を強く圧迫、右後側方アプローチにて摘出しました(手術時間20分)。
症例4 L3/4脊柱管狭窄症 黄色靭帯肥厚により両L4神経根起始部を圧迫、後方正中アプローチ、L3棘突起下部より進入することで棘間靭帯温存し、L3椎弓腹側面を切除して黄色靭帯を切除。L3/4椎間関節温存できます。不安定性は起こりにくいと考えます。
症例5 隣接椎間障害L2/3 圧迫骨折後にL3/4固定術施行後3か月で左大腿の疼痛出現し、ヘルニアによるL2/3椎間孔狭窄と診断。左後側方アプローチにて摘出。重症糖尿病のためPLIFを受けた施設での再固定は敬遠されました。
症例6 圧迫骨折、多椎間椎弓切除後の骨性椎間孔狭窄(右L2/3)および脊柱管狭窄による右L2,3,4神経根症に対し、後側方アプローチにてL2/3および L3/4の椎間孔拡大および硬膜腹側除圧を行いました。
FESSシステム
L5/Sヘルニア摘出術(後方アプローチ) 7mm外筒を留置し、内視鏡を挿入。内腔に鉗子類、バイポーラ、ドリルを入れ替え神経周囲を切除します。
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4. 経皮的椎間板摘出術(Disc FX)
椎間板ブロックにて除痛される慢性の椎間板性腰痛に対して、椎間板の一部を電気的に焼却する処置を局所麻酔下にて行っています。20-30分で終了し、術後4時間で退院していただいています。
5.脊髄刺激電極埋め込み術
閉塞性動脈硬化症、バージャー病などの虚血痛に対して脊髄刺激装置(SCS:Spinal Cord Stimulation)は90%以上の効果があると言われています。当院下肢救済センター(循環器内科)と協力して治療を行っています。
6. 五十肩、肩関節拘縮に対して肩関節受動術
神経ブロックにて除痛を行い、肩関節可動域を拡げます。原因検索も行います。
スタッフ紹介
より安心して手術を受けていただけるよう取り組んでいきます。
麻酔科部長 鈴木 高広 (すずき たかひろ) |
侵襲(しんしゅう)、すなわち手術など外部からの刺激が加わると、体は反応します。その反応が過大となり、元の侵襲を超えるほどの強烈なストレス反応が出ると、生命危機に及ぶこともあります。 プロフィール1995年防衛医科大学校卒業。2004年大阪大学大学院卒業。
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皆様から信頼を得られるよう切磋琢磨していきます。
川合 祐介 (かわい ゆうすけ) |
麻酔科医は、手術を完全に施行するプロとして働いています。また、手術には関連のない痛みや集中治療、そして緩和医療の分野にも関わっています。主治医として皆様とお会いすることは少ないと思いますが、皆様の信頼を得られるよう切磋琢磨していきます。 プロフィール1996年山梨医科大学卒業。2004年大阪大学大学院卒業。
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