お知らせ
第295回健康教室開催報告を掲載しました(『今日から始めましょう 足腰鍛えて寝たきり予防』、『健康寿命って何?』)
2015.08.17
平成27年7月23日(木)13時30分より、大道クリニック2階会議室において、
第295回健康教室を開催致しました。
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)は、放っておくと要介護につながります。
支援・介護が必要となった主な原因は①運動器の障害(25%)②脳卒中(18.5%)③認知症(15.8%)
④衰弱(13.4%)⑤その他(27.3%)であり、ロコモがトップです。
【ロコモチェック】
①片足立ちで靴下が履けない
②階段を上がるのに手すりが必要
③2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難
④横断歩道を青信号で渡りきれない
⑤家の中でつまづいたり滑ったりする
⑥家のやや重い仕事が困難
⑦15分ぐらい続けて歩けない
※1つでも当てはまると、ロコモの心配があります。
歩くのが遅くなったと感じたら脚の老化のサインで、主な原因は①膝関節の軟骨がすり減る
(変形性膝関節症)②加齢による脚の筋肉の衰えです。年齢とともに筋肉量は減少し、
20歳から80歳にかけて平均約40%減少すると言われます。
骨量は20代が最も高く徐々に低下していくが、男性がゆっくり減少していくのに比べて、
女性は閉経後急激に減少していく特徴があります。
全身の健康の鍵は、脚の筋肉を維持する事であり、それらを維持することは、健康的に臓器を保つことにも役立ちます。
食事でロコモ対策を行うことも重要になります。骨を強くする栄養素にはカルシウム(乳製品・小魚・大豆製品・野菜等)、ビタミンD(サケ・サンマ・ウナギ・キクラゲ・干ししいたけ等)、ビタミンK(発酵食品・ホウレンソウ・小松菜等)があります。意識的に取り入れて行きたい栄養素です。
歩行に必要な脚力を取り戻す為には、日頃の運動と食生活が大切であり、寝たきり予防にもつながります。
今回は、イスに座ってするロコモ体操と立ってするロコモ体操が紹介され、みんなで音楽に合わせて体を
動かしました。
健康寿命とは、、自立した生活ができる生存期間の事で、ちょっとした外出が一人でできる、病気があっても日
常生活に他者の介護を必要としない、といった日常生活に介護を必要としない期間を言います。
しかし、病気と老いは別物で、病気が無くても、日常生活に他人の助けが必要となると、健康寿命からは
外れてしまいます。病気を治す事よりも、うまく付き合う事を重視する、病気とうまく付き合いながら人生を
楽しむ事が重要です。
「平均寿命」-「健康寿命」が要介護期間で、
男性は平均寿命(80.21歳)-健康寿命(71.19歳)=要介護期間(9.02歳)
女性は平均寿命(86.61歳)-健康寿命(74.21歳)=要介護期間(12.40歳)
女性の方が6.4年平均寿命が長い事もあり、要介護期間は3.38年長いといえます。
健康長寿実現のための秘訣は、
①血清アルブミン値が高い(正常値:3.9g/dl以上)
②血清総コレステロールは高すぎず、低すぎず
75歳未満の男性:156mg/l~182mg/l
女性:183mg/~l230mg/l
③足が丈夫である(運動能力:階段は手すりなしで上り下りできますか?)
④主観的健康感が良い(健康に自信がありますか?)
⑤短期の記憶力が良い(昨日の夕食は何を食べましたか?)
⑥太り方は中ぐらい
腹囲・・・男性:85cm以上 女性:90cm以上
BMI(体重 kg)/(身長 m)×(身長 m)・・・22前後
75歳未満の女性ではBMIが21~24ぐらいの人の死亡の危険度が最も低い
⑦たばこを吸わない(肺がんの原因だけではありません)
⑧お酒は飲みすぎない(酒は百薬の長)
目安:ビール 中ビン1本・日本酒 1合・チュウハイ缶 1缶
⑨血圧は高すぎず、低すぎず(90mmHg~140mmHg)
⑩社会的参加が活発である(地域の集いの場に参加していますか?)
といったものがあります。
禁煙・節酒・減塩・運動・適正体重の5つの健康習慣の内、1つ実践すると、男性は14%、女性は9% 、がんのリスクを低下させる事が明らかとなっています。
演題:「巨大地震に備えて」
講師:大阪市 危機管理室 防災アドバイザー 芦田 豊通 様
(健康教室事務局/ボバース記念病院事務部庶務課 髙木剛)